ユーザー部門

概要

ユーザー部門とは、企業などの組織で情報システムを利用して業務を進める部門。いわゆる情報システム部門以外のすべての部門がこれに当たる。

組織内でコンピュータ通信ネットワークの導入、管理、運用などを担当する部門を「情報システム部門」というが、これ以外の部門をユーザー部門という。導入された情報システム利用者user)となる側の部門という意味でこのように呼ばれる。

ユーザー部門はITについての専門的な知見を持たず、システム部門は業務についての具体的な知識は持たないため、実際に出来上がったシステムの機能や操作性などを巡ってシステム部門と軋轢が生じることも多い。組織内で情報システムを適切に活用するためには、システムの企画や要件定義などの初期段階で、実際に業務でシステムを利用するユーザー部門の意見を十分に聞き取る必要がある。

近年では、システム部門に頼らずユーザー部門やその人員によって特定用途のアプリケーション開発して利用する「EUC」(エンドユーザーコンピューティング)や、特定の業務プロセスを自動化する仕組みを構築する「RPA」(Robotics Process Automation)などが導入されることも増えている。

一方、ユーザー部門側がシステム部門に知らせないまま独自に機材やソフトウェアなどを導入して利用することを「シャドーIT」という。組織内でのデータの散逸や部門間のシステムデータの不整合、適切な管理を受けていない機器を起点とする外部からのサイバー攻撃などの問題を引き起こしている。

(2024.6.27更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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