ミニコン 【mini computer】 ミニコンピュータ / ミドルレンジコンピュータ / middle range computer

概要

ミニコン(mini computer)とは、1960年代から90年代頃まで存在したコンピュータの製品カテゴリーの一つで、当時の大型コンピュータより小型で安価なコンピュータ。主に欧米で用いられた分類の一つ。

1960年代当時、コンピュータといえば現代では「メインフレーム」「大型汎用機」などと呼ばれる大型コンピュータしかなかった。これは大企業や政府機関、大学、研究所などが全社規模で導入する、ビルのワンフロアを占拠するような大掛かりな装置だった。

ミニコンは冷蔵庫ほどの大きさで当時としては画期的に小さく、価格的にも中小企業や大企業の一部門、大学の研究室などの単位などで導入可能な水準だったため、新たな需要を開拓して一つの製品カテゴリーとして定着した。

用途としては大学や研究所、企業の研究開発部門での科学技術計算などが中心だったが、中小企業などでの事務処理でも用いられ、後者向けの製品群は「スモールビジネスコンピュータ」(SBC:Small Business Computer)と呼んでミニコンと区別されることもあった。

また、日本では欧米でミニコンが普及するよりも先に、中小企業の事務処理向け小型コンピュータが「オフィスコンピュータ」(Office Computerオフコン)の名称で存在したため、日本でミニコンといった場合にはオフコン以外の研究所などでの計算用途のコンピュータのみを指すこともある。

代表的なメーカーとして米DEC(Digital Equipment Corporation)社が、代表的な製品として同社のの「PDP」シリーズや「VAX」シリーズなどがよく知られている。1990年代になるとパソコンUNIXワークステーション、これらを組み合わせたクライアントサーバシステムが台頭し、ミニコンは廃れていった。DEC社も1998年にパソコン大手の米コンパック(Compaq Computer)社に買収され消滅した。

(2024.9.9更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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