ファイルサーバ 【file server】 ストレージサーバ / storage server

概要

ファイルサーバ(file server)とは、ネットワーク上で複数の機器からファイルを共有するために用いられるサーバコンピュータのこと。利用者間で同じファイルフォルダを共有でき、それぞれ自らのコンピュータにあるのと同じ感覚で取り扱うことができる。

LAN構内ネットワーク)上に設置され、オペレーティングシステムOS)のファイル共有機能を用いて他のコンピュータから読み書き可能なストレージ外部記憶装置)を提供する。あるコンピュータが保存したファイルは、同じネットワーク上の他のコンピュータからも読み出しや更新をうことができる。

業務などで複数の人が編集・閲覧するファイルを管理する場合、個々人がばらばらに自分のパソコンなどに保管すると、受け渡しや更新管理が煩雑になり、古い版で新しい版を上書きしてしまうといったミスも起きやすくなる。ネットワーク上にファイルサーバを設けて集中的に管理することで、いつでも誰でも同じファイルの最新版にアクセスできるようになる。

利用者ごとのアクセス管理に対応しており、ユーザーアカウントごとに職務や職位、必要性などに応じてアクセス権限を設定し、不要なアクセスを遮断することができる。製品によってはバックアップバージョン管理などの機能に対応しているものもあり、管理上の作業を効率的にうことができる。

ただし、データが一か所に集中することで故障やデータ喪失のリスクも大きくなる。複数系統のシステム同期して片方が停止しても機能を維持できるようにしたり、RAIDなどストレージ装置信頼性を高める仕組みを導入したり、頻繁にバックアップ(複製)を取って障害に備えるなど、可用性を高める対策が必要となる。

NASとの違い

近年ではファイルサーバの機能に特化した専用コンピュータ製品である「NAS」(Network Attached Storage:ネットワークアタッチトストレージ)も普及している。従来は汎用的なサーバコンピュータにファイルサーバとしての機能を持たせるのが一般的だったが、NASはあらかじめファイルサーバとして最低限必要な機能のみが組み込まれている。

汎用サーバ製品よりも拡張性は低く、他のサーバ機能との兼用もできないが、廉価で導入や管理が容易といった特徴がある。筐体もコンパクトでネットワーク機器のように設置して通信可能にするだけですぐに利用できる。専任のIT管理者のいない小規模な組織や、複数の端末デジタル家電を所有する個人宅などで普及が進んでいる。

(2024.3.28更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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