システム【system】
概要
システムは一般に、入力された情報や資源を処理によって変換し、その結果を出力する構造として捉えられる。処理結果を再び入力側へ反映して動作を調整する仕組みは「フィードバック」(feedback)と呼ばれ、システム工学や情報工学では個々の要素だけでなく関係性や全体の振る舞いを重視して設計・分析が行われる。
システムを構成する要素はただ単に個別に存在するだけでなく、それぞれが影響を及ぼし合うことで特定の目的や機能を実現する。一つのシステムが、より小さなシステムの集合として実現している場合もあり、そのような構成単位を「サブシステム」(subsystem)という。一方、単体で独立・完結している複数のシステムが連携・連動することで全体として巨大なシステムを構成するものは「システム・オブ・システムズ」(SoS:System of Systems)という。
ITシステム
IT分野では、コンピュータ本体や周辺機器、ソフトウェア、通信ネットワーク、データベースなど様々な要素を組み合わせ、情報の処理や保存、伝達を行う仕組みをシステムと呼ぶ。正式には「ITシステム」「情報システム」「コンピュータシステム」などと呼ばれるが、実務上は単に「システム」と表現されることが多い。
企業の事業遂行を支援する販売管理システムや会計システム、顧客管理システムなどの業務システムのほか、インターネットサービスやクラウド基盤などもシステムの一種である。現代では社会インフラから個人が日常的に利用するWebサービスやスマートフォンアプリに至るまで、様々な場面にシステムが組み込まれている。
システムという言葉
「システム」という語はIT以外の分野でも広く用いられる。「教育システム」「評価システム」「ゲームシステム」といったように、制度や組織運営の仕組み、競技やゲームのルール体系などを指して使われることがある。自然科学や工学の分野では「系」という訳語を当てる場合もある。例えば、「太陽系」は “solar system” の、「神経系」は “nervous system” の訳語である。
“system” の語源は古代ギリシャ語で「構成」や「組織化された全体」を意味する “σύστημα” (シュステーマ、systema)とされ、工学や理学の領域で、複数の要素が連動して一定の法則に従う状態を表す概念として発展した。20世紀半ば以降はコンピュータを中心とした技術的構成体を指す言葉としても定着している。
