メディエーション 【mediation】
概要
メディエーション(mediation)とは、仲介、調停、仲裁、媒介などの意味を持つ英単語。ITの分野では、複数の異なるシステムやサービスなどと繋がりを持ち、互いに連携させたり最適なものを選択したりする機能のことをメディエーションということが多い。システム連携におけるメディエーション
業務システムの分野では、異なる情報システムやソフトウェアと通信することができ、一つの目的のためにデータや機能を連携させる機能をメディエーションと呼ぶ。
異なるシステムの間で、データ形式の変換、通信手順(プロトコル)の変換、データを適切な相手へ送り届ける交通整理(ルーティング)を行い、全体を連動させて一つの業務プロセスを遂行できるようにする。SOA(Service Oriented Architecture)やESB(Enterprise Service Bus)、マイクロサービスなどでシステム間連携を実現する際の中核となる概念である。
広告配信におけるメディエーション
ネット広告の分野では、複数のアドネットワークへ配信を打診して広告枠を確実に埋める仕組みをメディエーションという。SSP(Sell Side Platform)などの機能として提供され、RTB(Real-Time Bidding)と組み合わせて収益最大化を図ることが多い。
広告を掲載したいメディア(広告媒体)は複数のアドネットワークと契約し、過去の一定期間に配信した広告単価(通常はeCPM)の有利な順に順位付けを行う。広告枠への表示リクエストが生じると上位のネットワークから順に配信リクエストを送信し、案件があれば配信する。
上位ネットワークに案件が無ければ一つ下位のネットワークへ問い合わせを行う。案件が見つかるまでこの手順を繰り返すことで、可能な限り掲載案件を探し出し、枠が空白になることを回避しようと試みる。配信側を順位付けして順に問い合わせるこのような方式を「ウォーターフォール」というが、単価などに応じて配信比率を決めて各ネットワークへリクエストを配分する「比率配信」が行われる場合もある。
(2021.6.23更新)