仮想デスクトップ 【virtual desktop】 バーチャルデスクトップ

概要

仮想デスクトップ(virtual desktop)とは、オペレーティングシステム(OS)のデスクトップ画面拡張機能の一つで、物理的なディスプレイ画面よりも広いデスクトップ構築し、表示面を切り替えて操作するもの。

通常のデスクトップ画面ディスプレイに表示された領域がすべてだが、仮想デスクトップではこれを超えるデスクトップ領域(2~4面など整数倍のことが多い)を用意し、ディスプレイにはその一部を表示する。利用者は複数の面から必要なものを呼び出して切り替えて表示することにより、その面にあるアイコンウィンドウなどを表示・操作することができる。

ソフトウェア上は全体が一続きの広いデスクトップ画面ということになっているため、上下や左右の隣の面に除々にスクロールさせたり、ウィンドウのサイズを複数の面にまたがる広さに拡大することもできる。

UNIX系OSではX Window Systemのウィンドウマネージャのいくつかが古くからこの機能を提供しており、macOSではMac OS X 10.5(Leopard)から、WindowsではWindows 10からOSの標準機能として提供されている。

デスクトップ仮想化 (クライアント仮想化)

サーバ上に構築された仮想マシンVM)上のOSデスクトップ利用者の手元の端末からリモートデスクトップ機能で呼び出して利用することを「デスクトップ仮想化」(desktop virtualization)というが、これを仮想デスクトップということもある。

大企業や官公庁、教育機関など利用者数が多い情報システムで用いられるもので、デスクトップ環境仮想化してサーバ上に集約した環境システムを「VDI」(Virtual Desktop Infrastructure仮想デスクトップインフラ)と呼ぶ。

サーバコンピュータ上に利用者数などに見合った多数の仮想マシンを用意し、それぞれにデスクトップOSと必要なアプリケーションソフトインストールする。利用者コンピュータを使うときは、個々人に配布されたパソコンや専用のシンクライアント端末などからネットワークを通じてサーバに接続し、自分のデスクトップ画面を呼び出して利用する。

従来のような各個人のパソコン自体にOSソフトが入っている方式に比べ、サーバで集中管理することによりソフトウェアの追加や更新、修正などのメンテナンスが容易となる。

物理的なコンピュータ実体デスクトップ環境が切り離され、どのコンピュータからでも自分用の画面・環境を呼び出して使えるため、異動や出張、在宅勤務フリーアドレス制などに柔軟に対応できる。また、手元のコンピュータデータプログラムなどを保管しないため、USBメモリなどを通じたウイルス感染や情報漏洩を防ぎやすい。

利用者の手元の端末キーボードマウス入力を受け付けてサーバに送信し、画面イメージを受信してディスプレイ装置に映すだけでよいため、パソコンより単純で安価なシンクライアント端末を導入できる場合もある。

(2019.9.3更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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