iLO 【integrated Lights-Out】

概要

iLO(integrated Lights-Out)とは、米HPE(Hewlett Packard Enterprise)社のサーバ製品の一部に搭載されている、遠隔からの監視や操作を受け付けるための特殊な半導体チップ。また、そのチップと同社の専用ソフトウェアなどを組み合わせて提供される遠隔管理機能。

サーバネットワーク機能とは独立した専用のLANポートに直結しており、IPアドレスも固有のものを使用する。サーバ本体から独立して機能する組み込みコンピュータとなっているため、サーバ側が何らかのトラブルで応答しなくなっても外部から通信・操作することができる。

ネットワークを通じて管理用端末からWebブラウザアクセスすることができ、現在のコンピュータの状態を一覧表示することができる。メニューからコンピュータの操作が可能で、電源のオン・オフや再起動(物理的にリセットスイッチを押す動作)などもうことができる。

SSH接続でシリアルコンソール(コマンドラインインターフェース)を呼び出したり、「リモートコンソール」機能でサーバの表示画面を丸ごと転送して管理用端末のキーボードマウスで操作することができ、遠隔からOSインストールして再起動するといった操作をうことができる。

管理者の操作するコンピュータ光学ドライブなどをサーバ側にマウントして読み書きする仮想ドライブ機能もあるため、管理側のドライブセットしたソフトウェアのインストールディスクを使ってサーバ側にインストールするといった操作も可能となっている。

各種の管理ツールと連携するためのAPIも公開されており、PerlPythonRubyなどから操作するためのモジュールが提供されている。AnsibleWindows PowerShellなどと連携することもできる。iLO 4ではHTTPベースのAPIも組み込まれ、iLO 5ではDMTFが策定したサーバ管理機能を操作するRESTful APIの標準規格「Redfish」に対応した。

(2024.2.26更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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