Citrix 【シトリックス】 Citrix Systems, Inc. / シトリックスシステムズ

概要

Citrix(シトリックス)とは、コンピュータの仮想化や遠隔操作のためのソフトウェアやネットワーク機器の開発、販売などを手掛けるアメリカの大手IT企業。本社はフロリダ州フォートローダーデール。

主な事業は「Citrix Virtual Apps and Desktops」などの仮想化ソフトウェア製品の開発・販売や「Citrix DaaS」などのクラウドサービスの運営である。デスクトップ仮想化DaaSおよびVDI)など、末端の利用者が用いるコンピュータの操作環境の仮想化に強みを持つ。

歴史

1989年にIBM社のエンジニアだったエド・ヤコブッチ(Edward E. Iacobucci)氏らを中心に設立され、当初は米IBM社の「OS/2」をUNIXのようにマルチユーザー化するソフトウェアなどを開発・販売していた。社名の「Citrix」の由来は本社所在地のフロリダ州名産の柑橘類を意味する “Citrus” と “UNIX” を組み合わせたものとされる。

1990年代に入ると米マイクロソフト(Microsoft)社のWindows NTマルチユーザー化やリモートデスクトップ環境を提供する「WinFrame」「MetaFrame」などの製品がヒットし、1995年には米NASDAQ市場に「CTXS」のティッカーシンボルで株式公開を果たした。

2004年に買収した旧ネットシックス(Net6)社の事業を引き継ぎ、アプリケーションデリバリコントローラ(ADC:Application Delivery Controller)やファイアウォールなどのネットワーク機器を「NetScaler」ブランドで展開するようになった。

2007年にはオープンソースの仮想化ソフト「Xen」を開発する米ゼンソース(XenSources)社を買収し、サーバ仮想化の「XenServer」、アプリケーション配信の「XenApp」、デスクトップ仮想化の「XenDesktop」などのソフトウェア製品を投入した。

2022年に投資ファンドグループにより買収され、同業の米ティブコソフトウェア(TIBCO Software)と合併、新たに設立されたクラウドソフトウェアグループ(CSG:Cloud Software Group)社の子会社となった。同時にNetScaler部門が分離・独立しCSG社傘下に再編され、兄弟会社となった。

(2024.1.21更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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