L2TP 【Layer 2 Tunneling Protocol】 レイヤ2トンネリングプロトコル
概要
L2TP(Layer 2 Tunneling Protocol)とは、ネットワーク上のある機器から任意のアドレスの別の機器まで仮想的な伝送路を構築し、データを送受信するためのプロトコル(通信規約)の一つ。ネットワーク上に保護された抜け道(トンネル)を作り出し、VPN(仮想専用ネットワーク)を構築するのに用いられる。リンク層(第2層/データリンク層)のプロトコルであるPPP(Point-to-Point Protocol)のフレームをカプセル化し、IPやATM、フレームリレーなどのネットワークを通過させることができる。IPネットワークではUDPによりデータを伝送し、通常は1701番ポートを使用する。
L2TPでは、通信を開始する際の発信側・接続要求側をLAC(L2TP Access Concentrator)、着信側・接続受け入れ側をLNS(L2TP Network Server)という。一つのトンネルに複数のセッションを確立することができ、それぞれを別の通信路として独立にデータを送受信することができる。
暗号化についての規定がないため、インターネットなど信用できない経路を経由する可能性のあるネットワーク上で利用する場合はIPsecによる伝送路の暗号化を併用することが多い。これを「L2TP/IPsec」のように表記することもある。
米マイクロソフト(Microsoft)社などが推進していた「PPTP」(Point-to-Point Tunneling Protocol)と、米シスコシステムズ(Cisco Systems)社が推進していた「L2F」(Layer 2 Forwarding)の仕様を統合し、1999年にIETFによってRFC 2661として標準化された。
(2018.10.26更新)