zlib

概要

zlibとは、データDeflateアルゴリズムに基づいて圧縮・展開する機能を実装したライブラリの一つ。オープンソースとして配布されており、様々なソフトウェアに組み込まれている。

Deflate(デフレート)はLZ77アルゴリズムハフマン符号を組み合わせたデータ圧縮アルゴリズムで、任意の形式のデータに対して展開時に元のデータを完全に復元できる可逆圧縮う。圧縮ファイル形式としてはZipgzipが対応していることでよく知られる。

zlibはDeflateアルゴリズム実装したデータ圧縮・展開プログラムで、ライブラリとして外部から機能を呼び出せるようになっており、開発者が自作ソフトウェアに組み込んで利用する。C言語で記述されているが、様々なプログラミング言語から呼び出せるようにするラッパーwrapper)が充実している。

圧縮後のデータ形式として、制御情報などを付加しない生(RAWデータのほか、制御情報を先頭(ヘッダ)や末尾(フッタ)に付加した専用のデータ形式(RFC 1950:ZLIB Compressed Data Format Specification)や、gzipファイル形式(RFC 1952:GZIP File Format Specification)を選ぶことができる。

gzipの主要開発者でもあるジャン・ルー・ガイイ(Jean-Loup Gailly)氏とマーク・アドラー(Mark Adler)氏が1995年に最初のバージョンを公開した。独自のzlibライセンスに基づいてオープンソースソフトウェアとして配布されている。これはBSDライセンスに似た緩やかなライセンスで、ソースコード非公開の商用ソフトウェアなどに組み込んで使用することもできる。

(2023.5.9更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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