生データ【raw data】素データ/ローデータ
概要

生データは、活動や現象の記録全般に用いられる概念であり、人間やコンピュータによる抽出や分類、統計処理、形式変換などを経ていない元の記録を指す。センサーの計測値やアクセス記録、アンケートの回答用紙などが含まれる。
生データはそのままでは重複や欠損、不要な情報を多く含む場合があり、内容を把握しにくいことが多い。そのため分析や報告を行う際は、不要な項目を取り除いて整理し、集計や正規化、統計解析などを行った上で、図表などとしてまとめる処理が行われることが多い。
機械学習やデータ分析の分野では、生データをそのまま学習・解析せず、異常値の除去や欠損値の補完といった前処理を施した上で利用することが多い。加工後のデータは特定の目的に応じて情報が加工されたり絞り込まれているため、後から別の視点で分析し直すことは難しい場合が多いが、生データには発生した事象の情報がそのまま残されているため、前提が変わっても再利用できる利点がある。
生データは、記録対象の現象が確かに起きたことを示す証拠としての性質も持つ。実験や調査、品質管理、医療、製造、金融などの分野では、加工後の結果を後から検証したり、処理内容を追跡したりするために、生データ自体を適切に保管することが求められる場合がある。法令や業界内の自主規制、社内規程などによって一定期間の保管が義務付けられることもある。
こうした保管においては、データが記録された時点から改竄や偽造、喪失などが起きておらず、完全性や正確性が保たれている状態が重要になる。この性質は「データインテグリティ」(data integrity)と呼ばれ、取得から保管、利用までの各段階で信頼性を確保する仕組みの整備が必要となる。元の記録が失われたり改変されたりすると、分析結果や報告内容の信頼性も損なわれるため、生データは加工済みデータとは区別して管理されることが多い。