マスターデータ 【master data】 マスターファイル / master file
概要
マスターデータ(master data)とは、企業内データベースなどで、業務を遂行する際の基礎情報となるデータのこと。また、それらを集約したファイルやデータベースのテーブルなど。単に「マスタ」と省略するのが一般的である。企業などが業務で扱うデータには、取引や手続きなどに伴って日々新たに発生するデータと、取引先や商品などについての情報を記録した基礎的なデータがあり、前者を「トランザクションデータ」、後者を「マスターデータ」という。
情報の種類により「商品マスタ」「給与マスタ」「顧客マスタ」などに分かれるのが一般的である。「商品マスタ」であれば、自社で販売している一つ一つ商品の名称や型番、仕様、価格などの基本的な情報がまとめられており、これを元に受発注に関するデータベースなどが構築されていく。
例えば、継続的に取引のある顧客の様々な属性情報を受注伝票などを起票する度に毎回記入しなおすのは無駄が多く、名称や連絡先などが変更されると関連する帳票をすべて探し出して一件ずつ更新しなければならない。
マスターデータを集積してデータベースとして整理しておけば、顧客マスタから当該顧客を選択して紐付けるだけで入力が完了する。属性情報の変更が生じた場合も、マスターデータの情報を更新するだけでデータベース管理システム(DBMS)やアプリケーションによって自動的に参照先へ変更が反映される。
マスターデータはデータベースやアプリケーションごとに整備されることが多いが、複数部門からなる企業などではマスターデータの重複などの無駄が生じることがある。企業内でマスターデータを一元的に管理し、様々な業務システムから統一して参照できるようにする仕組みを「マスターデータ管理」(MDM:Master Data Management)という。そのような管理を行うための専用のデータベースシステムなどのことを指す場合もある。
(2024.3.12更新)