ドリルスルー【drill through】

ドリルスルーとは?

データ分析システムなどにおいて、集計・要約されたデータから、その計算元となる詳細な明細データへと画面を切り替えて参照する操作や機能のこと。主にOLAPデータウェアハウスと組み合わせて利用される。
ドリルスルーのイメージ画像

BIツールダッシュボードでは、売上や在庫といったデータが地域別・期間別などの単位で集約されて表示される。ドリルスルーを使うと、グラフや表の特定の数値を選択するだけで、その値を構成する取引記録や明細レコードを別画面で確認できる。例えば、月別売上グラフで「4月」を選択すると、4月に発生した個々の取引履歴が呼び出される。遷移後の画面には、元の画面で適用していたフィルター条件が引き継がれることが多い。

ドリルスルーは、集計結果だけでは原因を特定できない場面で活用される。異常値の確認や分析結果の検証において、明細まで掘り下げることで、特定の商品への注文集中や入力ミスによるデータの乱れなどを把握しやすくなる。経営分析や販売管理、在庫管理、アクセス解析など、大量データを扱う業務で広く使われている。

なお、個人情報や取引情報を扱うシステムでは、ドリルスルーによって閲覧できる範囲をアクセス権限で制限する機能が設けられることがある。また、元データの件数が多い場合は、検索条件の追加や表示件数の制限など、応答性能を維持するための工夫も行われる。

似た概念に「ドリルダウン」がある。ドリルダウンは「年→月→日」や「国→都市」のように、同一概念の階層構造を上位から下位へ展開する操作を指す。一方、ドリルスルーは集計値から明細行へと、データの性質そのものが異なる別データへ遷移する操作であり、厳密には区別される。ただし、製品や文脈によって両者を同義に扱う場合もある。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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