匿名加工情報

概要

匿名加工情報とは、個人について記録した情報を加工して、個人を特定できないようにしたもの。2015年の個人情報保護法改正で関連規定が追加された。

一般的に事業者が顧客の行動履歴などを記録したデータは個人が特定・識別できる状態となっている。これを加工して、氏名など個人の特定や識別に繋がる情報を復元不可能な状態にしたものを匿名加工情報という。

個人情報保護法では、事業者が取得したパーソナルデータの利用や外部提供について本人に十分な説明をって個別に許諾を得るなどの制約を課しているが、匿名加工情報は本人の同意を得なくても外部への提供が可能であり、一定のルールの下で事業者間の連携や横断的な活用をうことが期待される。

情報の加工については規定が定められており、これに則ってう必要がある。氏名など個人を識別できる情報の削除や不可逆な置き換えが必要で、顔画像や指紋、運転免許証番号などの個人識別符号、他の情報と連結するためのIDなどの符号、極めて珍しい属性など本人であると容易に推定可能な特異な記述も削除する必要がある。

匿名加工情報を作成する場合は加工方法などの漏洩防止や苦情の処理などについて安全管理措置を取ることが求められる。また、作成時や第三者への提供時にはWebサイトなどを通じて加工された情報に含まれる項目や提供方法などを公表しなければならない。

一方、2022年の法改正では新たに「仮名加工情報」についての規定が追加された。これは個人についての情報を加工して、他の情報と照合しない限り個人を特定できないようにしたものとされる。匿名加工情報よりも作成のハードルは低いが、第三者提供は委託や共同利用に限定されている。

(2024.3.20更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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