全数調査 【census】 complete enumeration / 悉皆調査
概要
全数調査(census)とは、統計的な調査を行う際に、対象となる母集団全体を調査対象とする方式。国勢調査などがこれに当たる。調査の対象となる母集団に含まれるすべての要素を一つ一つ調べる調査方式をこのように呼ぶ。一方、母集団の中から一定の基準や方法で少数の標本(サンプル)を抽出して調査する方式を「標本調査」という。
全数調査はすべての対象についてのデータを揃えることができるため、抽出調査で生じる標準誤差などの不確かさに影響されない。対象の総数が少ない場合は容易に実施できるが、日本人全体など母集団が巨大な場合には大きなコストや長い期間を要したり、そもそも不可能なこともある。
社会調査の多くは標本調査だが、国が5年ごとに実施する、国内の全居住者を対象とした「国勢調査」や、国内の全法人を対象に行われ企業の国勢調査とも言われる「経済センサス」は全数調査として行われている。これらは統計としての意義と共に他の標本調査の基礎となるデータを提供する意義がある。
(2024.5.27更新)