読み方 : ぜんすうちょうさ
全数調査【census】complete enumeration/悉皆調査
概要

統計調査では、調査対象となる母集団の構成要素すべてを一つ一つ確認し、観測可能な全データを取得する方法がある。これを全数調査と呼び、人口や世帯、事業所など調査単位ごとに全件を把握したいときに用いられる。
これに対し、母集団の一部を一定の基準や確率的手法で抽出し、その結果から全体像を推定する方法は「標本調査」と呼ばれる。この方式では抽出に伴うばらつきが生じ、推計値に不確実性が含まれる。
全数調査は対象すべてのデータを直接収集するため、母集団の実態を正確に把握できる。一方で対象が増えるほど調査票の配布、回収、入力、照合といった工程の負荷が増大し、費用や期間の制約から大規模な母集団では実施が難しくなる場合もある。また、回答拒否や未回収が多ければ全数調査であっても完全性が損なわれることになり、「そもそも全数を確実に調査可能か」という標本調査には無い課題がある。
社会統計の多くは標本調査によって行われているが、一定の周期で実施される基幹統計では全数調査が採用されることがある。日本では国が5年ごとに実施する「国勢調査」が大規模な全数調査の代表で、国内に居住するすべての人を対象に世帯構造や居住実態を調査する。また、「経済センサス」は国内のすべての企業や事業所を対象とする全数調査で、産業構造や事業活動の全体像を把握するための基礎情報を収集する。
(2026.6.26更新)