コントロールトータルチェック
概要

処理の開始前に、対象データの金額や件数などを合算した値を控えておく。この事前の合計値を「コントロールトータル」と呼ぶ。処理完了後、同じ条件で再集計した値と照らし合わせ、両者が一致すれば処理は正常に終わったと判断できる。値がわずかでもずれていれば、どこかで異常が生じたとみなして原因を調査する。数千件、数万件のデータを個別に調べることなく、合計値だけで全体の整合性を素早く確認できる。
照合に使う合計値は、金額や数量の総和だけに限らない。件数の合計を使って入力漏れや二重登録を確認することもある。また、本来は合計する意味を持たない社員番号や商品コードをあえて足し合わせた「ハッシュトータル」を用いる場合もある。数量の合計は数量の誤りしか発見できないが、番号の和に相違があれば、数量が合っていても項目を取り違えている誤りなどを発見することができる。
この手法は、銀行の振込処理や企業の給与計算など、金額の正確さが求められる業務で古くから使われてきた。紙帳票の時代からの慣行であり、現代のバッチ処理やシステム間のデータ連携でも同様に機能する。複数の工程を経る処理では、各工程の前後でコントロールトータルを保持して比較することで、途中での欠落や重複を段階的に検出できる。
なお、この手法はあくまでも「合計が合っているか」を確かめる手法であるため、合計値に影響しない種類のエラーは検出できない。例えば、ある項目の金額を別の項目に誤って割り当てた場合や、ある項目と別の項目でたまたまちょうど打ち消し合うように誤りが生じた場合は、合計値が変わらないためこのチェックでは見つからない。低コストで素早く誤りを見つける手段と割り切って、厳密な確認が必要な場合は他の検証手法と組み合わせる。