IME 【Input Method Editor】 インプットメソッド / IM
主に非アルファベット圏の国や地域で、各言語に特有の文字を入力するために利用されるもので、日本では主に日本語の文字(ひらがな、カタカナ、漢字)を入力するために用いられるため、「日本語入力システム」「かな漢字変換ソフト」などとも呼ばれる。
日本語など文字数の多い言語ではキーボードのキーと文字を一対一に対応づけることができないため、読みをローマ字入力やかなキー入力して候補を表示し、その中から入力したい文字を選ぶといった入力方法が用いられる。絵文字や顔文字の入力・変換機能を持っているものもある。
IMEはコンピュータへの導入時にオペレーティングシステム(OS)に登録され、システムに常駐して他のソフトウェアから呼び出す形で使用される。どのソフトウェアからも同じIMEを起動して文字入力欄に文字や記号を入力することができる。
入力をより効率化するために、以前に入力した候補を優先的に表示したり(学習機能)、読みをすべて入力し終わる前に後に続く文字を統計的に予測して先回りして候補を提示(予測変換)したりといった機能が実装されるようになってきている。
スマートフォンやタブレット端末などのタッチ操作の機器では、標準では文字入力にキーボードを使わないため、IMEが文字の入力盤(スクリーンキーボード)を表示し、利用者がこれを操作して入力する。日本語の場合はひらがなの入力盤を操作して読みを入力するのが一般的である。
変換辞書
多くの変換システムでは、利用者が入力した読みと、変換先の漢字や熟語、固有名詞などの対応関係を「辞書」と呼ばれる専用のデータファイルで管理している。
基本的な語彙を収録した辞書は開発元が標準で同梱して最初から使えるようになっているが、利用者側で後から辞書を追加することもできる。開発元以外の第三者が作成した辞書を導入することもでき、固有名詞や人名、特定分野の専門用語などを収録した辞書が公開されている。
Microsoft IME (MS-IME)
米マイクロソフト(Microsoft)社の多言語文字入力ソフトを「Microsoft IME」(MS-IME:Microsoft Input Method Extension)という。日本では日本語入力システムとして提供されているが、非アルファベットの各言語圏向けに、その言語の文字を入力するためのMS-IMEが提供されている。
同社のWindowsやMicrosoft Officeなどの製品に同梱されており、Windows標準のIMEであるため、Windows利用者の多くはMS-IMEを使っている。Windows環境で単に「IME」という場合はMS-IMEを指すことが多い。他社製IMEはMS-IMEから設定や辞書を引き継ぐ機能を備えたものが多い。
名称の揺らぎ
従来、Microsoft社がWindowsに標準搭載している変換システムが「Microsoft IME」だったこともあり、主にWindowsで「IME」の呼称が定着していた。それ以前のMS-DOSなどでは「FEP」(Front End Processor)と呼ばれたり、Windows以外のシステムでは “Editor” の無い「インプットメソッド」(IM:Input Method)などの呼称も用いられた。現在では多くのシステムで「IME」の呼称が広く定着している。