RoHS指令 【Restriction of Hazardous Substances】 特定有害物質使用制限指令
概要
RoHS指令(Restriction of Hazardous Substances)とは、EU(欧州連合)の環境規制の一つで、電気製品に特定の有害物質を使用することを制限する指令。2006年に最初の規制(現在ではRoHS1と呼ばれる)が施行され、2011年(RoHS2)、2019年(改正RoHS2)に改正指令が施行された。RoHS1ではEU域内で流通する電気・電子機器に含まれる鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、ポリ臭化ビフェニル(PBB)、ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)の量を1000ppm(カドミウムのみ100ppm)以下にするよう命じた。対象は家電製品や情報機器、照明、電動工具、医療機器など10に区分された製品カテゴリーで、代替手段の確保が難しい製品については申請に基づき一部が適用除外となる。
改正RoHS2ではRoHS1の6物質に加え、フタル酸ジ-2-エチルへキシル(DEHP)、フタル酸ブチルベンジル(BBP)、フタル酸ジ-n-ブチル(DBP)、フタル酸ジイソブチル(DIBP)が追加された。対象も交流1000V以下、直流1500V以下のすべての電気機器に広げられ、軍事用や宇宙用、大型産業機器など少数の除外品目を除いて民生用の電気製品はほぼすべて規制の対象となっている。
RoHS1では生産者の義務のみ定められていたが、RoHS2からは輸入者や販売者など流通に関わる事業者にも一定の義務が課されるようになった。製品がEU規制に適合していることを示す「CEマーキング」を取得するためにはRoHS指令も満たす必要がある。
(2021.6.16更新)