オープンイノベーション 【open innovation】
概要
オープンイノベーション(open innovation)とは、企業などにおける研究開発や新事業創出の方法論の一つで、組織内で秘密裏に進めるのではなく、外部の企業や研究機関、公的機関、消費者などを巻き込んで、協力・連携して取り組むこと。社会に変革をもたらすような斬新で革新的な技術や製品、サービス、ビジネスモデル、社会的な仕組みを生み出す活動(あるいは、その成果である新技術や新ビジネスなど)を「イノベーション」(innovation)という。
従来は企業などの組織が単独で研究開発や新規事業開拓などに取り組み、その成果を新製品や新サービスなどの形で実装することでイノベーションを実現してきた。この方式を「クローズドイノベーション」(closed innovation)という。
オープンイノベーションでは対照的に、外部の企業や研究機関、公的機関、既存顧客、消費者などを巻き込んで、各自の知識や技術、技能、知的財産、ノウハウ、アイデアなどを持ち寄り、共通のテーマについて共同で創発的な活動に取り組むことでイノベーションを引き起こすことを企図する。
これにより、自社内では得られない新しい発想やアイデアの取り込み、自社単独では成し得ない水準の製品やサービスの実現、外部との相乗効果による予期し得ない革新などの効果が得られることが期待される。共同作業による開発コストや期間の削減が見込める場合もある。
ただし、意図しない営業秘密やノウハウが他社に流出したり、知的財産を公開することで競争上の優位を失ったり、責任の所在が曖昧になり大した成果が得られないまま時間とコストを浪費してしまったり、協働する主体間で目的や理念が十分に共有されず「同床異夢」になるなどのリスクや短所もある。
(2023.9.24更新)