110番ポート 【port 110】 ポート110 / TCP110番 / UDP110番
概要
110番ポート(port 110)とは、インターネットなどの通信でアプリケーションの種類や通信規約(プロトコル)の識別に用いられるポート番号の一つ。通常はTCPの110番を電子メール受信サーバがPOP3で電子メールクライアントに受信メールを配送するために用いる。ポート番号とは
インターネットではネットワーク層のプロトコルとしてIP(Internet Protocol)を用いるが、その上位のトランスポート層のプロトコルとしてTCP(Transmission Control Protocol)あるいはUDP(User Datagram Protocol)をよく用いる。
これらは同じ機器(一つのIPアドレス)で複数の異なるアプリケーションが同時に通信したり、異なる通信相手と同時に通信できるよう、データの送受信の窓口となる「ポート」という仕組みを備えている。ポートの識別や指定は0から65535までの整数で行い、これを「ポート番号」という。
110番ポートの用途
110番ポートはそのようなポート番号の一つで、受信メールサーバ(MRA:Mail Retrieval Agent)がメールクライアントからの接続を待ち受け、POP(Post Office Protocol)というプロトコルでメールボックスに溜まったメッセージを配送する標準のポートとして用いられる。
この用途はインターネット運用団体のIANAに登録されており、いわゆる「ウェルノウンポート」(現在は正式には「システムポート」)の一つとして定着している。なお、UDP、TCP共にPOP用に予約されているが、通常使われるのはTCPである。
なお、POP3による通信をSSL/TLSで暗号化して保護するPOP3S(POP3 over SSL/TLS)を利用する場合は、110番ではなく995番ポートを、メールサーバとの通信にPOP3ではなくIMAP4を利用する場合は143番ポート(暗号化されたIMAPSは993番ポート)を利用するのが標準となっている。
(2022.3.2更新)