メールボックス【mailbox】
概要
電子メールサーバは外部から自らの管理するメールアドレス向けのメールを受信すると、対応するストレージ(外部記憶装置)上の領域にこれを書き込んで保存する。これがサーバ上のメールボックスである。
利用者はメールクライアントを用いてサーバにアクセスし、自分宛てに届いたメールをダウンロードして手元のコンピュータに受信する。受信したメールは、ストレージ上のファイルなどとして保管し、後から見返したり返信時に引用できるようにする。これがクライアント側のメールボックスである。
通常、メールボックスはサーバ上のメールアカウントと一対一に対応しており、一つ以上のメールアドレス(一つのアカウントで複数のアドレスを利用する場合がある)に紐付けられる。別のアドレスへ転送するのみでメールボックスが存在しないアドレスもあるため、メールアドレスとは一対一に対応するとは限らない。
メールボックスの管理
利用する通信手順(プロトコル)の違いにより、単純にサーバからクライアントにメールを配送してサーバ上のものは消去する方式(POP3など)と、サーバ上に保管したままクライアント上で選択したものだけを受信・閲覧する方式(IMAP4など)に分かれる。Webメール型やクラウド型のメールサービスは、サーバ上に保管したものを必要に応じて閲覧する方式を取る。
サーバ上のメールボックスはストレージを際限なく消費するのを防ぐため、利用者一人あたりに割り当てられた上限容量や件数が決まっている場合が多く、これを超えると外部から新規の受信を拒否したり、古いものから順番に消去したりといった対応を取る。利用者側では重要なメッセージをクライアント側で保存し、必要性の薄いのものを選択して消去するといった対応を行うのが良いとされる。
インボックス (inbox/受信トレイ)
利用者の操作するメールクライアントにあるメールボックスのうち、受信したメールを保存しておく領域を「インボックス」あるいは「受信トレイ」という。サーバから受信したメールのうち、自動的に分類や削除などが行われなかったものがインボックスに集められる。利用者があとでメッセージを他のフォルダや迷惑メールフォルダなどに移すこともできる。
アウトボックス (outbox/送信トレイ)
利用者の操作するメールクライアントにあるメールボックスのうち、送信したいメールを一時的に保存しておく領域を「アウトボックス」あるいは「送信トレイ」という。指定した日時や条件に従ってあとで送信したり、回線がオフラインですぐに送信できないような場合に、メッセージを送信時まで一時保管しておく。
