NDR 【Non-Delivery Receipt】 配信不能レポート / バウンスメール / bounce mail / エラーメール / error mail / リターンメール / return mail
電子メールシステムでは、送信者の操作するメールソフト(メールクライアント)が自組織内や契約先事業者の運用するメール送信サーバ(SMTPサーバ)に宛先アドレスへのメール送信を依頼し、送信サーバが宛先アドレスを管轄するメール受信サーバを探し出してメッセージを伝送する。
その際、何らかの理由でメッセージが届けられないと、受信サーバ側から(受信サーバが見つからない、繋がらないなどの場合は送信サーバから)その旨を通知するメッセージが送信者宛てに送られてくる。これをNDRという。送信元メールアドレスや送信者名の欄には「MAILER-DAEMON」「Postmaster」「Mail Deivery Subsystem」といった名称が含まれていることが多い。
伝送に失敗した理由としてよくあるのは、メールアドレスの綴り間違いやアドレス変更などにより宛先に指定されたアドレスが存在しない場合、メールボックスの容量がいっぱいでこれ以上受信できなくなっている場合、受信を拒否する設定にしている場合などがある。
NDRにはシステムからのメッセージとともに、送信者が送ったメッセージそのものが引用あるいは添付されていることがあり、そのようなメールを「バウンスメール」(bounced mail/bounce:跳ね返る)というが、これを悪用してスパムメール(迷惑メール)を送信する手口をNDRスパムという。
これは、スパムの送信元に送りたい相手のアドレスを勝手に設定し、存在しないアドレスに送信することにより、送りたい相手にNDRとしてスパムメールを届けるという手法で、NDRはシステムからの通知としてスパムフィルタなどを回避できることが多いのを悪用した手口である。
(2020.5.18更新)