EDI 【Electronic Data Interchange】 電子データ交換
概要
EDI(Electronic Data Interchange)とは、商取引に関する情報を標準的な形式に統一して、企業間で電子的に交換する仕組み。受発注や見積もり、決済、出入荷などに関わるデータを、あらかじめ定められた形式にしたがって電子化し、インターネットや専用の通信回線網など通じて送受信する。紙の伝票をやり取りしていた従来の方式に比べ、情報伝達のスピードが大幅にアップし、事務工数や人員の削減、販売機会の拡大などにつながる。データ形式やコンピュータ間の接続方式などは国ごと、業界ごとに標準が定められていることが多いが、国際的な規格や業種横断的な規格もある。
国際標準としては国連機関が定めたUN/EDIFACT(United Nations rules for Electronic Data Interchange For Administration, Commerce and Transport)やebXMLが知られる。日本の国内規格は基盤的なものとして情報処理開発協会(JIPDEC)内の産業情報化推進センター(CII:Center for the Informatization of Industry)が定めたCII標準があるが、多くは各業界が個別に定めた標準が用いられている。
例えば、金融機関は全銀協手順(全銀ベーシック手順、全銀TCP/IP手順など)、流通業界は流通BMS(流通ビジネスメッセージ標準)、小売チェーン店はJCA手順、食品業界は日食協標準EDIフォーマット、鉄鋼業界は鉄鋼EDI標準といった具合に業界ごとにメッセージや伝送手順の標準を定めている。
自動車部品業界のJNX(Japan automotive Network eXchange)のように企業間を繋ぐ信頼できる取引情報交換ネットワークを構築している業界や、放送CM業界の広告EDIセンターのように売り手と買い手を結びつける取引所を設置している業界もある。
EDIシステムの多くはNTT地域会社などの電話回線やISDN回線などの公衆交換電話網(加入電話網)を利用して取引先に接続するよう設計されているが、近年ではインターネット上にVPN(Virtual Private Network)を構築して安全に接続する手法も広まっている。また、ソフトウェアも専用のものを導入するのが一般的だったが、これに代えてWebブラウザを用いて取引先のWebサーバ上に構築されたEDIシステムを利用するWeb-EDIが台頭している。