ESMTP 【SMTP Service Extensions】
概要
ESMTP(SMTP Service Extensions)とは、電子メールの送信・配送に用いられるSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)の拡張機能。いくつかの機能が定義されており、機能ごとに対応・非対応を指定することができる。SMTP規格の初版(RFC 821)は1982年に策定された古いもので、7ビットASCIIコードのメッセージしか受け付けないなど実用上の不便さが目立ってきたため、1994年のRFC 1426(SMTP Service Extension for 8bit-MIMEtransport)など一連の拡張機能が発行された。これらは2001年のRFC 2821でSMTP規格本体に吸収された。
主な拡張機能として、8ビット文字コードによるメッセージの受け付け(8ビットMIME)、バイナリ形式のメッセージの転送(バイナリMIME)、メッセージサイズの上限指定(SIZEキーワード)、送信時に相手方からの送信も要求するTURNコマンドの拡張(ETRNコマンド/ATRNコマンド)、配信状況通知(DSN)、SMTP認証(SMTP-AUTH)、TLS接続への移行(STARTTLS)、巨大なメッセージを分割して送信するチャンキング(CHUNKING)などがある。
接続先のSMTPサーバがESMTPに対応しているかどうかは接続時に従来の「HELO」コマンドに代えて「EHLO」コマンドを発行することによって確認できる。対応サーバはEHLOを受信すると、自身が対応している機能のリストを送り返す。8ビット伝送なら「8BITMIME」、バイナリ伝送なら「BINARYMIME」、認証なら「AUTH」、TLS接続なら「STARTTLS」といったキーワードで通知する。
(2023.10.22更新)