ARPU 【Average Revenue Per User】
もとは通信事業者(特に携帯電話キャリア)の収益性の比較などによく用いられていた指標だが、他の通信サービスやネットサービス、ゲームアプリなどの収益の指標としても用いられるようになった。調査対象期間中に一人の契約者から平均いくら売り上げているかを表している。
携帯電話(移動体通信)事業について用いる場合は、音声通話の課金額を表す「音声ARPU」と、パケット通信(データ通信)の課金額を表す「データARPU」、これらを合計した「総合ARPU」という分類を用いることもある。
かつては通話時間や送受信データ量に比例して課金する従量制料金が主流だったため通信の利用の増大に応じてARPUも伸びていたが、現在では通話もデータ通信も定額料金プランが広まったため、通信量の増大とARPU向上は必ずしも一致しなくなっている。
課金サービスで売上を伸ばすには契約者を増やすかARPUを伸ばす必要があるが、通信事業のように市場が成熟し普及率が頭打ちになると大きな加入者の伸びは期待できなくなり、ARPUの違いが売上や収益の違いに直結するようになる。
ARPA/ARPPUとの違い
ARPUの考え方を契約者数(人数)ではなくアカウント数(契約口数)に適用したものを「ARPA」(Average Revenue Per Account)という。利用者アカウント一つあたりの平均売上高を表し、一人が複数のアカウントを使い分けるようなサービス(移動体通信で一人が複数の端末を保有する場合など)でARPUより実態をよく表す指標としてよく用いられる。
また、実際に料金を支払った利用者一人当たりの平均売上高を「ARPPU」(Average Revenue Per Paying User)という。「基本無料」のネットサービスやスマートフォン向けアプリなどでは必ずしもすべての利用者が料金を支払うわけではない。このような場合に、対象期間に料金を支払った利用者(有料会員や課金ユーザー)のみを対象に平均売上を求めたものがARPPUである。
関連用語
他の辞典による解説 (外部サイト)
この記事を参照している文書など (外部サイト)
- 独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO) 欧州課 ユーロトレンド「欧州の携帯電話市場
」(PDFファイル)にて引用 (2004年5月)