MIMEマルチパート 【MIME multipart】
概要
MIMEマルチパート(MIME multipart)とは、電子メールにASCII文字データ以外の任意のデータを含める方法を定めたMIMEの拡張仕様の一つで、本文を複数の部分(パート)に分割し、それぞれ独立した異なる内容を持たせる方法を定めたもの。RFC 2112などで規格化されている。メール冒頭のヘッダ内で、「Content-Type: multipart/サブタイプ; boundary="区切り文字"」といった形式の宣言を記述することで、複数のパートで構成されたメールとして処理される。サブタイプは「mixed」(複数のデータ形式が混在)、「alternative」(テキスト形式とHTML形式など、同じ内容が別の形式で混在)、「parallel」(音声と動画など、同時に再生すべき異なるメディアのデータが混在)などが知られる。
本文は「--区切り文字」という文字列が出現する位置ごとに分割され、それぞれ独立した内容とみなされる。メッセージの終端は「--区切り文字--」とする。区切り文字は本文に出現する可能性がないものなら何でもよいが、実際には十数字程度の長さのランダムな数値列や英数文字列などが用いられることが多い。パートはいくつあっても構わず、パート内を別の区切り文字でさらにマルチパートに分割する入れ子構造とすることもできる(仕様上は入れ子の段数に制限はない)。
分割された各パートはそれぞれヘッダと本文を記述でき(ヘッダを省略した場合はContent-Type: text/plain; charset=US-ASCII形式であるとみなされる)、ASCII文字列以外の様々な形式のデータ(画像、音声、動画、圧縮ファイル、HTML文書、オフィスソフト文書など)をBase64などでテキスト変換して記載することができる。
(2018.3.13更新)