Postfix
メールの送信・転送を行うMTA(Message Transfer Agent)あるいはSMTPサーバと呼ばれるソフトウェアで、末端の利用者からの依頼を受けて宛先のサーバまでメッセージを送り届けたり、外部から利用者宛てのメールを受領して利用者が受け取りに来るまで保管したりする。
高い処理性能、設定や運用の容易さに定評があり、迷惑メール(スパムメール)のフィルタリング機能やSSL/TLSによる伝送路の暗号化など、実用上必要な機能を一通り揃えている。主要なプログラムが複数の独立した常駐プログラム(デーモン)に分散しており、一部が外部からの攻撃により被害を受けても他への影響が最小限で済むよう設計されている。
MTAの事実上の標準として広く普及したsendmailと高い互換性を有し、sendmail、qmailと並んでインターネット上で最もよく利用されるSMTPサーバの一つとなっている。NetBSDやLinuxの一部のディストリビューション、macOS Server(Mac OS X Server)では標準のMTAに採用されている。
1998年に米IBM社のワトソン研究所で「VMailer」の名称で開発が始まり、後に「Secure Mailer」に改称された。1999年にはPostfixに再び改称され、IBM Public Licenseと呼ばれる同社独自のフリーソフトウェアライセンスにより公開された(後にEclipse Public Licenseも追加)。
(2018.12.21更新)