AnserDATAPORT 【ADP】

概要

AnserDATAPORT(ADP)とは、NTTデータが金融機関向けに提供しているデータ通信サービス。従来、物理媒体の輸送やISDN回線(INSネット)が用いられてきた用途の代替となるファームバンキングサービスである。

インターネットなどから切り離された閉域IP網で契約先と同社の通信拠点を繋ぎ、銀行などの金融機関との間で取引データなどを安全に送受信することができる。自治体からはLGWANを経由した接続を受け付けている。

従来、企業などが給与振込などの大量の取引を一括して行う場合は、フロッピーディスクや磁気テープなどの記憶媒体にデータを記録して金融機関に持ち込むか、アナログ電話回線やISDN回線で電算センターなどにダイヤルアップ接続してデータを送信する方式が用いられてきた。

これらはいずれも技術的に時代遅れの手法となっており、2024年のNTT地域会社によるISDNサービス終了を控え、代替手段への移行が課題となっている。AnserDATAPORTは同社の「Connecure」閉域網およびLGWANを経由して、外部からの干渉が不可能な形で安全にデータを送受信することができる。

国内のほとんどの金融機関に接続されており、企業や自治体はAnserDATAPORTと接続するだけで同じ回線、同じ手続きによって様々な金融機関と取引することができる。受け付けチェック、照合などの機能も提供され、従来必要だったデータ伝送時にFAXを送付するといった手順も不要となる。

(2023.10.10更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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