993番ポート 【port 993】 ポート993 / TCP993番
概要
993番ポート(port 993)とは、インターネットなどの通信でアプリケーションの種類や通信規約(プロトコル)の識別に用いられるポート番号の一つ。通常はTCPの993番を電子メール受信サーバがIMAPSで電子メールクライアントに受信メールを配送するために用いる。ポート番号とは
インターネットではネットワーク層のプロトコルとしてIP(Internet Protocol)を用いるが、その上位のトランスポート層のプロトコルとしてTCP(Transmission Control Protocol)あるいはUDP(User Datagram Protocol)をよく用いる。
これらは同じ機器(一つのIPアドレス)で複数の異なるアプリケーションが同時に通信したり、異なる通信相手と同時に通信できるよう、データの送受信の窓口となる「ポート」という仕組みを備えている。ポートの識別や指定は0から65535までの整数で行い、これを「ポート番号」という。
993番ポートの用途
993番ポートはそのようなポート番号の一つで、受信メールサーバ(MRA:Mail Retrieval Agent)とメールクライアントがTLS(Transport Layer Security/旧SSL)によって暗号化されたIMAP通信(IMAPS:IMAP4 over SSL/TLS)を行なう際の標準のポートとなっている。
この用途はインターネット運用団体のIANAに登録されており、いわゆる「ウェルノウンポート」(現在は正式には「システムポート」)の一つとして定着している。TCPのみがIMAPS用に指定されており、UDPの993番は特定の用途は決まっていないが、予約済み(reserved)とされており自由に使用できるわけではない。
なお、SSL/TLSによる暗号化を行わず、直にIMAPの通信を行う場合は143番ポートを、メール受信にIMAPではなくPOP3を用いる場合は110番ポートを、POP3をSSL/TLS化したPOP3Sを用いる場合は995番ポートを、それぞれ利用するのが標準となっている。
(2022.11.3更新)