クラウドファンディング 【crowdfunding】 クラファン / ソーシャルファンディング / social funding

概要

クラウドファンディング(crowdfunding)とは、資金を必要とする個人や団体、プロジェクトなどが不特定多数の相手から少額の資金を募る手法。特に、専門のWebサイト(クラウドファンディングサイト)で詳細を告知して資金提供者を募集すること。“crowd” は「群衆」、“funding” は「資金調達」の意。

資金を募って活動をいたい場合、まとまった大口資金を少数から集める手法だと、限られた富裕な人や団体の好む事業しか実現できず、また、少数の大口出資者の都合や意向にプロジェクト運営が大きく左右される問題があった。

クラウドファンディングではネットを通じて広く一般に資金提供を呼びかけ、数千円から数万円といった小口の資金を多数の賛同者から集める。多くの人が少額を拠出する形を取ることで個々の出資者の影響を小さく抑えることができる。

また、資金を募集する過程自体がある種の宣伝やアピールとして機能し、対象の事業に強い興味を持つ「ファン」や製品の潜在顧客を組織したり、その意見をプロジェクトに反映させることができる。出資者はプロジェクトに愛着を持ち成功を強く祈るようになり、口コミで他の出資者を探したりプロジェクトの存在を広めてくれることも多い。

種類と対象

見返りの有無や種類によって、特に見返りのない「寄付型」の募集と、通常の出資や貸付のように利益が出たらその一部を受け取れる「投資型」、開発した製品やサービスを無償または安価で受け取ったり利用したりできる「購入代金前払い型」に分類することができる。

クラウドファンディングの対象となるのはベンチャー企業への出資や、新しい工業製品やソフトウェア開発プロジェクトなどが多いが、これに留まらず、政治運動や市民運動、映画やビデオゲームなどの作品制作、スポーツチームや芸能グループの活動継続、舞台や興行の開催、公的部門からの資金の乏しい学問研究、災害復興支援、街づくりや地域活性化などへの資金の募集にも用いられている。

問題点

資金提供の条件やプロジェクト運営の手法、情報開示などについて法規制等はなく、クラウドファンディングサイトが利用者にガイドラインを示すといった取り組みはしているものの、資金の払込後に連絡が取れなくなるといった詐欺まがいの事案が発生することがある。また、個人運営のプロジェクトを中心に見返りの内容や資金使途の公開などを巡ってトラブルになる事例が多く見られる。

(2020.5.30更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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