ANSER 【Automatic answer Network System for Electronic Request】
概要
ANSER(Automatic answer Network System for Electronic Request)とは、金融機関の窓口や専用の機械で行われてきた手続きや情報照会などを、電話回線やデータ専用線、インターネットなどを通じて遠隔から利用できるようにするシステムおよびサービス。1981年に当時の電電公社データ通信本部(現NTTデータ)が国内の民間金融機関向けに開始した。金融機関の顧客が自らの口座や契約について、残高や取引明細などの照会、入出金・送金や振込・振替の依頼などを自宅や会社、出先などから通信回線を通じて行えるようにする。
使用できる回線はアナログ電話網、ISDN(INSネット)、DDX-TP、専用線、携帯電話網・インターネット(ANSER-WEB)などである。端末としては電話機(ANSER-PB/DP)やFAX機(ANSER-FAX)、パソコン(モデム・ISDN接続:ANSER-PC/インターネット:ANSER-WEB)、携帯電話のWebブラウザ(ANSER-WEB)などに対応する。
顧客の端末からの接続はNTTデータのANSERセンターが受け付け、各金融機関の情報システムへ取り次ぐ。同社が開発・運用する共通のシステムやセンターを利用することにより、各社が独自にテレホンバンキングなどを実現するよりも安価に導入することができる。
1981年に開始されたのは後に銀行ANSERとも呼ばれるようになる銀行向けのサービスで、1984年に証券会社向けの証券ANSER、1990年に生命保険会社向けの生保ANSERがそれぞれ開始された。銀行による顧客へのANSERサービスは一般的にはホームバンキング(個人顧客向け)、ファームバンキング(法人顧客向け)、テレホンバンキング(電話による照会・手続き)、インターネットバンキング(オンラインバンキング)などと呼ばれる。
(2018.9.27更新)