読み方 : そしょうホールド
訴訟ホールド【litigation hold】
訴訟ホールドとは?

主に米国法に定める証拠開示(eディスカバリー)手続きへの対応として行われる措置で、訴訟が提起されると関係者への保全通知が行われ、対象者は関連データを消去・書き換えできない状態で保管する義務を負う。
保全義務があるにも関わらずデータを削除した場合、裁判所から「証拠を隠滅した側に不都合な事実があった」とみなされる不利な推認という制裁を受けることがある。日本国内法上の手続きではないが、米国を含む国際的な取引を行う企業や外資系企業を中心に対応が求められる場合がある。
保全の対象は電子メール、文書ファイル、チャット履歴、業務システムのログ、音声データ、紙の書類など広範に及ぶ。近年はクラウドサービスや個人のモバイル端末に保存された業務データも対象となるため、管理の難易度は高まっている。企業内システムでは効率化のために一定期間後にデータを自動削除する設定が一般的だが、訴訟の可能性が生じた段階でこの自動削除を停止し、証拠の散逸を防ぐことが求められる。
実務上は、法務部門が訴訟の可能性を察知した段階で関係者に保全通知を発行し、IT部門と連携して対象データを削除できない状態に設定する。業務用メールシステムやクラウドサービスには管理者向けの訴訟ホールド機能を搭載するものも多く、対象アカウントに設定を適用すると、利用者が削除操作をしてもデータがシステム内に保持され続ける仕組みになっている。訴訟が終結するか保存の必要がなくなるまで、この状態を維持し続けることになる。