SMTPS 【SMTP over SSL/TLS】
概要
SMTPS(SMTP over SSL/TLS)とは、電子メールの送信に用いるプロトコル(通信規約)であるSMTPに、伝送路を暗号化するSSL/TLSを組み合わせたもの。送信メッセージを暗号によって保護し、安全に送信することができる。SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)は利用者の電子メールクライアントから電子メールサーバに送信メールをアップロードしたり、メールサーバ間でメッセージを転送する際に用いられる標準的なプロトコルの一つで、設計が古くそれ自体には通信内容を暗号化する機能がない。
SMTPSではSMTPによる接続前にSSL(Secure Socket Layer)/TLS(Transport Layer Security)による仮想的な通信路を形成する。通常のSMTPとは異なる専用のポート番号(一般的には465番)を用いて当初からSSL/TLSにより通信を開始する方式と、通常のSMTPで通信を開始し、「STARTTLS」と呼ばれる手順で双方がSSL/TLSに対応しているか確認し、対応していればSSL/TLSで再接続する方式の2つがあり、現在では後者が定着している。
これにより、メール本体や添付ファイルなどを暗号化することができ、SMTP認証を利用する場合はアカウント名やパスワードなどの認証情報も保護することができる。通信経路上の機器による送受信情報の「覗き見」によるプライバシーや機密情報の漏洩、認証情報の詐取によるアカウントの乗っ取りなどを防止することができる。
(2020.2.8更新)