エンベロープ 【envelope】

概要

エンベロープ(envelope)とは、封筒、外皮、覆い、包絡線などの意味を持つ英単語。何かを包み込むものという意味で、ITの分野では、信号処理などにおける包絡線、プロトコルデータ形式で制御情報を記述する領域などの意味で用いられる。

電子メールのエンベロープ

電子メールを送受信するプロトコル通信規約)の標準であるSMTPSimple Mail Transfer Protocol)では、メールの配送・転送をMTAMessage Transfer Agent)間で伝達されるメール伝送についての制御情報をエンベロープということがある。SMTPコマンド引数などの形で表され、メールの宛先や差出アドレスなどを伝える。メッセージ本体を便箋に、制御情報を封筒に例えた表現である。

電子メールメッセージには冒頭に制御情報を記載したヘッダ部があり、宛先や差出人、件名などが記載されている。MTAはこの部分を読み取り、他のMTAメールを伝送する際のSMTPコマンド群を生成する。この実際の伝送に用いられる制御情報をエンベロープという。

ヘッダ上の情報とエンベロープが分離していることにより、受信者に通知されない宛先を指定するBCCブラインドカーボンコピー)などの機能が実現できる。BCCに指定された宛先はエンベロープには展開されてメッセージが伝送されるが、メッセージ本体からはBCC部分は削除されている。

信号処理におけるエンベロープ

電気信号や音声信号の解析や処理で、強度が正または負の頂点(ピーク)同士を結んだ曲線のことをエンベロープということがある。既存の信号から頂点間を結んでエンベロープを検出して利用する場合と、人為的に形状を設定したエンベロープを用いて信号を整形する場合がある。

(2018.12.19更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
ホーム画面への追加方法
1.ブラウザの 共有ボタンのアイコン 共有ボタンをタップ
2.メニューの「ホーム画面に追加」をタップ
閉じる