ROAS 【Return On Advertising Spend】 広告費用対効果
概要
ROAS(Return On Advertising Spend)とは、広告の効果を測る指標の一つで、広告に由来する売上高を、そのために支払った広告費用で割ったもの。広告費に対して何倍の売上を得ることができたかを表すもので、この値が高いほど効果的に広告を出稿できていることになる。ECサイトが出稿するオンライン広告など、広告のそれぞれについて対応する売上高を把握しやすい広告形態や事業に向いている指標で、媒体やクリエイティブの違いなどによる広告効果の違いを実際の売上に基づいて比較することができる。
例えば、100万円の広告キャンペーンを実施して、そのキャンペーンを経由して訪れた顧客から500万円を売り上げれば、ROASは500÷100で5.0、あるいは、パーセンテージ表示で500%となる。同じクリエイティブを一定期間出稿してROASが300%の媒体と500%の媒体があれば、後者の出稿比率を増やせば良いことが分かる。
なお、ROASは売上に関する指標であるため、損益や利益についての判断を行うことはできない。ROASが100%であるとは広告費と売上が同額であるという意味であり、広告以外の費用、原価は賄うことはできない水準である。原価から損益分岐点となるROASを算出しておき、これを超えたかどうかを一つの目安とする場合もある。
ROIとの違い
似た指標にROI(Return On Investment:投資収益率)があるが、これは支払った費用や投資額に対して得られた利益の割合(倍率)を表す指標である。本来は事業にかかるすべての費用を合算して算出されるが、広告の効果指標として広告費のみを投資額としてROIを算出する場合もある。その場合は利益額を対応する広告費で除した値となる。
(2024.1.25更新)