RFC違反メールアドレス
概要
RFC違反メールアドレスとは、利用者に発行され使用されている電子メールアドレスのうち、インターネット標準規格の「RFC」で定義される規定を逸脱したもの。連続する「.」が含まれるものなどが該当し、過去に通信事業者などが発行していたことがある。インターネットで用いる技術については、IETF(Internet Engineering Task Force)という技術者や関係者の集まりで議論され、合意された標準仕様は「RFC」(Request For Comment)という一連の文書として発行される。
電子メールの送信元や宛先を表すアドレスは「ローカルパート@ドメイン名」という形式となっており、ローカルパートは利用者アカウントなどに対応付けられる。ローカルパートに用いることができる文字種および文字列の形式については、2001年発行のRFC 2822、および、その最新版であるRFC 5322によって定義されている。
主なルール
ローカルパートには、いわゆる半角英数字を含めることができるが、「( ) , : ; < > @ [ ] " \」のいずれかを含む場合には、全体を「"」で括らなければならない。この中で「"」や「\」を表記する際は、直前に「\」を記載して全体を括る引用符と区別できるようにする。
ローカルパートは「.」(ドット/ピリオド)で任意に区切ることができるが、「.」が連続して現れたり、先頭や末尾に「.」を配置する場合は全体を「"」で括らなければならない。引用符で括らずに先頭や末尾、連続したドットが出現するものは違反となる。
違反アドレス
現在のメールサーバの多くは登録時にローカルパートのチェックを行い、違反するものは登録できないようにしているが、2000年前後のインターネット普及期には携帯電話のメールアドレス登録などでこのルールに準拠していないものが登録できる場合があった。
特に、連続する「.」や末尾の「.」については実際に多くの利用者がアドレスとして使用していたため、RFC違反のアドレスを受け付けない端末のメールソフトや外部のメールサーバ、メールアドレス登録が必要なサービスなどでトラブルの原因となっていた。
特に、2009年4月までは大手携帯電話事業者のNTTドコモ(@docomo.ne.jp)とau(@au.com/@ezweb.ne.jp)でRFC違反メールアドレスの登録が可能だったため、携帯電話の電子メール送受信機能でトラブルが生じることがあった。現在では両社とも正しい形式のアドレスしか新規登録できないようになり、既存の違反アドレスも正しい形式に変更するよう契約者にアナウンスしている。