VMware vCenter Server
概要

同社のサーバ仮想化製品群「VMware vSphere」を構成するソフトウェアの一つである。個々の物理サーバに導入されたハイパーバイザー(VMware ESXi)を束ねて統合制御する、vSphere環境の中核的な管理基盤として機能する。
管理者は単一の管理画面から複数の仮想化ホストと仮想マシンを横断的に操作できる。仮想マシンの作成や起動、停止、設定変更、リソースの割り当て調整といった操作に加え、利用者やグループごとのアクセス権限の設定、監査ログやイベント履歴の管理なども一元的に行える。
稼働中の仮想マシンを停止せずに別の物理サーバへ移動する「VMware vMotion」や、物理サーバの障害時に仮想マシンを自動退避させる高可用性(HA)機能、負荷状況に応じて仮想マシンを自動配置する「VMware DRS」(Distributed Resource Scheduler)など、vSphereの高度な機能の多くはvCenter Serverとの連携を前提としている。これらはいずれも、複数のホストをまたぐ集中管理の仕組みがあって初めて成立する機能である。
定型的な作業の効率化にも対応しており、オペレーティングシステム(OS)や設定をあらかじめまとめたテンプレートを作成して多数の仮想マシンへ一斉展開する自動化機能を備える。性能情報の収集やアラート管理、ライセンス管理なども集約できるため、運用負荷の軽減と管理品質の均一化に役立つ。管理画面へのアクセスにはWebブラウザから利用する「vSphere Client」を使用する。
導入形態は、Linuxベースの専用環境をあらかじめ構成済みの仮想アプライアンス「vCenter Server Appliance」(vCSA)が現在の標準形態である。仮想環境上に展開するだけで稼働できるため、Windows Serverのライセンスを別途用意することなく迅速に管理環境を構築できる。2023年にVMware社がBroadcom社に買収されて以降、VMware製品はサブスクリプションモデルへ移行しており、vCenter Serverも「VMware vSphere Foundation」などのライセンス体系に包含される形で提供されている。