LACP 【Link Aggregation Control Protocol】 IEEE 802.3ad
概要
LACP(Link Aggregation Control Protocol)とは、同じネットワーク機器間を繋ぐ複数の回線を束ねて一つの論理的な回線として扱えるようにするためのプロトコル(通信規約)の一つ。2000年にIEEEによってIEEE 802.3adとして標準化された方式で、異なるメーカーの機器間で使用することができる。LACPに対応したルータやネットワークスイッチ同士を複数のLANケーブルで接続すると、これを自動的に検出して一つの論理回線を構成して通信を開始する。このような手法は「リンクアグリゲーション」(LAG:link aggregation)または「ポートトランキング」(port trunking)、「イーサチャネル」(EtherChannel:Cisco社の呼称)などと呼ばれる。
複数の回線を束ねて一体的に運用することで、データを分散して並列に伝送できるため、一本の高速な回線のように利用することができる。例えば、2台のスイッチ間で1000BASE-Tのリンク4本を束ねると4Gbpsで通信しているように振る舞う。ケーブルや端子のいくつかが故障、断線するなどして通信不能になっても、残りの回線で速度を落として通信を継続することができる。
LACPによるアグリゲーションに参加できるのは同じ通信規格、通信速度のポート同士(100BASE-TX同士、1000BASE-T同士など)のみで、全二重通信に対応していなければならない。VLANを使用している場合は同じVLANに参加していることも必要となる。
なお、LACPなどを用いなくても双方の機器に静的に設定を行うことで固定的にアグリゲーションを構成することもできる。LACPは機器間で制御情報を交換して動的に構成を変更できるため、静的な構成では対応できないリンクダウンを伴わない通信障害などが生じた場合などでも、回線の利用停止などで対処することができる。
(2023.2.14更新)