ループバックインターフェース 【loopback interface】
概要
ループバックインターフェース(loopback interface)とは、コンピュータの持つ特殊なネットワークインターフェース(NIC)の一つで、自身とのみ通信可能なもの。物理的な装置ではなく、オペレーティングシステム(OS)が仮想NICの一つとして提供する。外部のどことも繋がっておらず、ループバックインターフェースへ送信したデータは機器内部で(ソフトウェアによって)折り返して自分自身が受信する。内部のソフトウェア間でネットワーク機能を介して(外部と同じように)通信したい場合や、特定の通信相手や物理インターフェースに紐づいていないIPアドレスが必要な場合に用いられる。
ループバックインターフェースに割り当てられるIPアドレスを「ループバックアドレス」(loopback address)という。通常は自身としか通信できない(外部から到達できない)ことが保証される「ローカルループバックアドレス」が用いられる。
IPv4では仕様上、「127.0.0.0~127.0.0.255」(127.0.0.0/8)がループバック用に割り当てられており、慣習的に「127.0.0.1」を用いることが多い。IPv6では仕様上、「::1」が割り当てられており、これを用いる。対応するホスト名は慣習的に「localhost」とすることが多い。
ルータなどのネットワーク機器ではループバックインターフェースにループバック専用ではない通常のIPアドレスを設定して運用する場合があり、その場合は外部からも到達可能である。ルータなどは複数のインターフェースに別々のIPアドレスを持つのが一般的な運用で、自身の代表アドレスを一つに決めたい場合などに、このような設定を行うことがある。
(2025.8.30更新)