USBバスパワー 【USB bus power】 USB給電 / USB充電 / USB電源
概要
USBバスパワー(USB bus power)とは、USBケーブルを通じてコンピュータ本体から接続された周辺機器に電力を供給する仕様の一つ。対応機器は電源コードや電池がなくても本体とUSB接続するだけで動作させられる。初期のUSB規格から利用できる給電機能で、データの通信に用いるUSBケーブルを経由して、電圧5V、電流500mA、電力2.5Wまでの電力を供給することができる。
キーボードやマウス、USBメモリなど、大きな電力を必要としない装置の駆動に用いられる。卓上で用いるちょっとした電気製品の電源として用いられることもあり、卓上扇風機や読書灯、加湿器などユニークな「アイデア商品」もある。
USBバスパワーはスマートフォンやタブレット端末、デジタルカメラなどの携帯情報機器の充電方式として標準的に採用されており、パソコンにUSB接続してデータの送受信をしながら同時に充電することができる。本体にUSB端子のみを備え電源端子のない携帯機器も増えている。
セルフパワー
プリンタやイメージスキャナ、光学ドライブ、外付けハードディスクなど、通信にUSBを利用する機器でも大きな電力を必要とする機器はUSBバスパワーで電力を賄うことができない。
このような機器では別途電源ケーブルでコンセントから給電するようになっており、バスパワーと対比して「セルフパワー」(self-powered)と呼ぶことがある。
USB充電器
USBバスパワーでは通信用の信号をやり取りせず電力だけを流すことも可能なため、電源コンセントに差し込んでUSBケーブルで機器に電力を供給する専用の装置もあり、これをUSB充電器(USB battery charger)という。
スマートフォンなどの機器ではUSB端子が電源端子を兼ねていることが多く、従来の電気製品のようにACアダプタなどが付属せず、USB充電器とUSBケーブルのみが同梱されている場合もある。
USB PD
USB 3.1ではUSBバスパワーに加えて、より大きな電力の供給が可能な「USB PD」(USB Power Delivery/USBパワーデリバリー)規格が策定された。100Wまでの電力供給が可能となり、液晶ディスプレイやコンピュータ本体などの電源ケーブルを代用できるほか、給電方向の切り替えなどにも対応している。