UPoE【Universal Power over Ethernet】
UPoEとは?

一般的なPoE(Power over Ethernet)はLANケーブル内の4対8芯のうち2対のみを給電に使用する。初期のPoE(IEEE 802.3af)では給電側最大15.4W、拡張された「PoE+」(IEEE 802.3at)では最大30Wが供給可能である。UPoEはPoE+をCiscoが独自に拡張した仕様で、2011年に発表された。
UPoEでは4対すべての線をデータ通信と給電の両方に用いることで、従来の2倍にあたる最大60Wの電力を供給できる。受電側が実際に利用できる電力は損失を差し引いた約51Wとなる。これにより、高機能なWi-Fiアクセスポイント、IPカメラ、ビデオ会議端末、小型ディスプレイなど、従来のPoEでは電力が不足する機器にも対応できるようになった。
UPoEに対応するネットワークスイッチは、ケーブル接続時に微小な電圧を流して相手が対応機器かどうかを確認し、必要電力の大きさを把握した上で送電を開始する。非対応機器が接続された場合は電力を流さないため、接続ミスによる機器破損を防ぐ。UPoE対応機器は従来のPoEおよびPoE+との上位互換があり、旧規格の機器とも組み合わせて使用できる。
UPoEが提唱した4対給電の方式はその後、国際標準化の流れに取り込まれた。IEEEは「IEEE 802.3bt」を策定し、最大60W級の「Type 3」と最大90W級の「Type 4」を定めた。UPoEという名称はシスコ製品の文脈で使われることが多く、業界全体では「IEEE 802.3bt」あるいは「PoE++」と呼ばれることもある。
電源コンセントのない天井や壁面にネットワーク機器を設置する場合、従来は別途電源工事が必要であった。UPoEはLANケーブル1本で機器の稼働を完結させられるため、設置工事の簡素化や電源の一元管理が求められるオフィス・商業施設での導入に適している。