サージ防護デバイス 【SPD】 Surge Protective Device / 避雷器 / アレスタ / arrester
概要
サージ防護デバイス(SPD)とは、雷などで生じる瞬間的な高電圧や大電流(サージ)から電気回路を保護する装置。電気機器を過電流による破壊や誤作動から守る。送電線や通信回線には、雷やスイッチ素子の開閉動作など様々な原因により瞬間的に定格を超える大きな電圧や電流を生じることがあり、これを「サージ」(surge)という。サージがコンピュータなどの機器内部の回路にそのまま流れ込むと誤作動や故障の原因となり、物理的に破損して使用不能になったり火災の原因となる場合もある。
サージ防護デバイスはサージから電気系統を保護するため、サージの発生源と保護したい機器の中間に設置する。普段は回路を流れる電気に何の作用も及ぼさないが、内部に意図的に絶縁を弱くした箇所などが設けられており、ある電圧を超えると内部が短絡して流入したサージ電流をそのまま出口側の配線へ放出する。サージ防護デバイスより内側にある機器へサージが流れ込むのを阻止する。
サージ防護デバイスは回路や回線の種類や特性、保護対象の機器、サージの想定規模などに応じて様々な種類があり、多くは送配電設備や電源設備などの中に組み込まれている。身近なところでは、建物の分電盤やOAタップ、UPS(無停電電源装置)に組み込まれたものがよく知られる。
(2021.8.2更新)