ガラケー 【ガラパゴス携帯電話】
概要
ガラケー(ガラパゴス携帯電話)とは、1990年代末から2000年代初頭にかけて国内メーカーと大手移動体通信事業者(携帯キャリア)が主導して活発に開発・販売された、日本独自の機能や関連サービスが発達した携帯電話端末のこと。日本の携帯電話市場が歴史的に日本独特の技術や市場環境のもとで発展してきたため、国内メーカーが国内向けに製造・販売している携帯電話機が世界的に広く普及しているものとはかなり異なる仕様や特徴を持っていた。これを大陸から隔絶した環境で生物が独自の進化を遂げた南太平洋のガラパゴス諸島になぞらえた表現である。
具体的には、内蔵カメラによる撮影や写真データのメール添付、インターネット電子メールの送受信、iモードを始めとする各キャリア固有のコンテンツサービスやその閲覧に用いられる携帯電話向けWeb仕様、非接触ICカードによる電子マネー・電子決済、デジタルテレビ(ワンセグ)視聴、GPS受信などに対応していた。
ただし、後に現れたスマートフォンなどとは異なり、これらの機能やサービス、ソフトウェアなどは端末メーカーやキャリアがそれぞれ独自に仕様の策定や実装、運用を行っており、互換性や相互運用性は乏しく、技術や仕様の標準化・共通化も進まなかった。
「ガラパゴス」という例えも、当初は「日本が世界に先駆けて発展させた高機能な携帯電話」という肯定的な意味合いで用いられることもあったが、日本の端末メーカーが海外市場で苦戦・撤退し、海外勢のスマートフォン製品にあっけなく国内市場を奪われるに至り、「日本固有の規格や市場環境にこだわって世界で通用しなかった携帯電話」という否定的な意味で用いられることが一般的となった。
(2022.8.1更新)