WPAD 【Web Proxy Auto-Discovery】

概要

WPAD(Web Proxy Auto-Discovery)とは、Webブラウザなどのプロキシ設定を自動化するためのプロトコル(通信規約)の一つ。組織内ネットワークで管理者の用意したプロキシ設定を各端末に自動適用することができる。

プロキシサーバネットワークの境界などに置かれ、外部と直接通信できない内部ネットワーク端末の代理(proxy)として通信を中継する。通常はWebブラウザなどの設定画面などでプロキシサーバアドレスなどを入力することで利用可能になるが、企業内ネットワークなどで大量の端末がある場合には一台一台手作業で入力するのは非効率である。

WPADは設定情報の集中管理と自動設定をうための仕組みで、ネットワーク内部のWebサーバなどに置いた設定ファイルURLDHCPを通じて端末に通知する手順を定義している。ブラウザ側でプロキシの自動設定をオンにしておくだけで、そのネットワーク固有の設定情報が自動的に設定され、プロキシを通じた通信が可能となる。

DHCPによる設定の他に、DNSを応用して設定ファイルの位置を特定する仕組みも用意されている。そのネットワークドメイン名の冒頭に「wpad.」、末尾に「/wpad.dat」を追加したURLを生成し、このアドレスに接続を試みるという方式である。

例えば、「example.jpドメイン内の端末であれば「http://wpad.example.jp/wpad.dat」を探索する。この仕組みは新gTLDの増設などにより、内部で利用しているドメイン名の設定次第では外部の無関係なサイトファイルを参照してしまう危険性が指摘されている。

(2024.1.18更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
ホーム画面への追加方法
1.ブラウザの 共有ボタンのアイコン 共有ボタンをタップ
2.メニューの「ホーム画面に追加」をタップ
閉じる