Do Not Track 【DNT】

概要

Do Not Track(DNT)とは、HTTPヘッダのフィールド(項目)の一つで、閲覧者がWebサイト側に行動追跡を行わないよう要請できるもの。

HTTPはWebサーバWebクライアントWebブラウザなど)の間でデータの伝送を行なう通信規約(プロトコル)の一つで、要求や応答などの制御情報をメッセージの前半部分にある「HTTPヘッダ」と呼ばれる領域の記載する。

Do Not Trackはブラウザからサーバへ送信するリクエストヘッダの拡張項目の一つで、Webブラウザの利用者がサーバに対してCookieなどを用いた行動の記録や追跡(トラッキング)、行動の解析結果に基づく広告やコンテンツの表示などを止めるよう要請することができる。

書式はシンプルに「DNT: 値」という形式で、値は「0」ならば追跡を許可、「1」ならば追跡を拒否、「null」ならば利用者が値を設定していないことを表す。この値はブラウザ側でJavaScriptを用いて navigator.doNotTrack プロパティとして読み取ることもできる。

このヘッダによる追跡拒否はサーバへの「要請」であるため、このヘッダに対応するか、要請に(どの程度)応じるかはサイト運営者の方針次第となる。2010年に提唱され、一部のWebブラウザプライベートモードなどでデフォルトで拒否設定にするなどの動きもあった。W3Cが標準化を進めていたが、正式や標準化や十分な普及には至らないまま2018年には廃止(非推奨)となった。

(2022.4.1更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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