Flash 【Adobe Flash】
概要
Flash(Adobe Flash)とは、Webページなどでコンピュータグラフィックスを応用したアニメーションやプログラムなどを再生・実行するためのデータ形式の一つ。また、その開発ソフト。いずれも米アドビ(Adobe)社が開発・提供している。画像や図形、文字、音声、動画などを組み合わせ、時間軸に沿って内容が変化するアニメーションを構成することができ、利用者の操作や入力を動作に反映させることもできる。開発者はJavaScriptを同社が独自に拡張したActionScript(アクションスクリプト)と呼ばれるプログラミング言語で細かな挙動を指定することができる。
Flash形式のファイルはWebページに埋め込んで表示することができ、同社が無償配布するプラグインソフト「Flash Player」(フラッシュプレーヤー)を組み込んだWebブラウザで再生することができる。プレーヤーは同社サイトから入手できるほか、主要なWebブラウザには同梱されている。
図形を組み合わせたベクター形式のグラフィックスを軽快に移動・変形でき、ビットマップ画像や音声など他の形式の要素とも緊密に統合・連携できる点が大きな特徴で、主にWeb広告や簡易なアニメーション作品、オンラインゲームなどの公開に用いられた。組み込みの動画再生機能を利用したオンライン動画プレーヤーとしても広く普及した。
歴史
前身となるソフトウェアは1995年に当時の米フューチャー・ウェーブ(Future Wave)社が発売した「Future Splash」(フューチャー・スプラッシュ)で、1996年に同社を米マクロメディア(Macromedia)社が買収し、「Macromedia Flash」(マクロメディア・フラッシュ)に改名された。
2005年にはマクロメディア社が当時の米アドビシステムズ(Adobe Systems/現Adobe)社に買収され、「Adobe Flash」(アドビ・フラッシュ)となった。2010年代前半まではWeb上のベクターアニメーションの事実上の標準として広く受け入れられてきた。
しかし、米アップル(Apple)社のiOS(iPhone/iPad)に採用されないなど台頭するスマートフォン市場を取り込むことに失敗し、SVGとHTML5の組み合わせなど代替技術が大きく発展したこともあり、アドビ社はFlashの維持・発展をあきらめ、関連ソフトウェアの提供を2020年末で打ち切ることにした。
関連用語
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他の辞典による解説 (外部サイト)
この記事を参照している文書など (外部サイト)
- 電子情報通信学会「第18回データ工学ワークショップ」発表論文「ウェブの形態情報を用いたがん情報の分類」(PDFファイル)にて引用 (2007年2月)