Javaアプレット 【Java applet】
概要
Javaアプレット(Java applet)とは、Java言語で開発されたコンピュータプログラムの形式の一つで、Webページの一部として埋め込まれてWebブラウザ上で実行されるもの。2018年のJava 11で廃止され、現在は新たに開発・利用することはできない。JavaアプレットはHTMLファイルや画像ファイルなどと同じようにWebサーバからネットワークを通じてWebブラウザに読み込まれ、ブラウザ上で即座に実行される。Webページ上では専用の矩形の領域が指定され、その範囲内で描画や操作を行なう。
Webページの一部としてアプリケーションソフトを埋め込むことができ、利用者の操作を受け付けたり、HTMLだけでは難しい、動きのある内容を表示したりすることができた。オンラインゲームやチャットクライアントなどに応用されたほか、企業では業務システムのクライアントとしても利用された。
Javaの特徴を活かして、一つのプログラムを複数の異なる環境で同じように動作させることもできるが、グラフィックス表示機能の扱いなどがオペレーティングシステム(OS)によって異なったため、まったく同じプログラムで寸分違わず同じ動作を期待できるわけではなかった。
Javaアプレットはインターネットを通じて誰でも配布・閲覧することができるため、安全に利用できるよう、単体で起動するJavaプログラムには無い様々な制限が課されている。例えば、起動されたコンピュータのストレージ装置(ハードディスクなど)やクリップボード、周辺機器(プリンタによる印刷など)は利用できない。
また、外部とネットワークを通じて通信する場合はアプレットのダウンロード元のWebサーバとしか直接通信することはできないようになっている。このような外部の資源へのアクセスを厳しく制限する方式は「サンドボックス」と呼ばれる。
1995年に最初の実装が公開され、Webの普及期に主要なWebブラウザが対応したことで普及したが、当時の環境ではアプレットの受信や起動にそれぞれ数十秒から数分を要することが多く、また、起動したアプレットも単体のアプリケーションソフトに比べると機能や性能が大きく劣ったため、限定的な用途で利用されるに留まった。主要なWebブラウザは2015年前後にJavaアプレット対応を打ち切り、Java自体の仕様からも2018年のJava 11で削除された。