VMware
概要
VMwareとは、米通信機器大手ブロードコム(Broadcom)社の一部門で、仮想化ソフトウェアやネットワーク制御ソフトウェアなどを手掛ける部門。また、同部門の製品・サービスのブランド名。かつては独立企業だった。物理的な一台のコンピュータ上にソフトウェアによって仮想的に複数のコンピュータを立ち上げ、別々のオペレーティングシステム(OS)などを動作させる仮想化ソフトウェアの提供が主な事業で、仮想化技術を応用したデータデンターやクラウドサービスを管理・運用するためのソフトウェアなども手掛ける。
主な製品
サーバやデータセンター、クラウド向けの製品として、仮想化ソフトウェアや関連ツールをまとめた製品パッケージ「vSphere」や、仮想化されたサーバを統合的に管理する「vCenter Server」、プライベートクラウド環境を構築することができる「vCloud Suite」、VMware環境以外の仮想化環境やクラウド環境などを統合的に管理することができる「vRealize」などがある。高度な管理機能などを含まない単体のハイパーバイザ「vSphere Hypervisor」(旧VMware ESXi)など、無償で公開されている製品もある。
パソコンなどデスクトップ環境向けの製品として、仮想化環境を構築して同時に複数のOSを実行できるようにする「VMware Workstation Pro」および「VMware Workstation Player」(簡易版)、macOS上の一つのウィンドウ内にWindowsを起動する「VMware Fusion」、サーバ上で多数のデスクトップ環境を生成する仮想デスクトップインフラ(VDI:Virtual Desktop Infrastructure)構築・管理ソフト「VMware Horizon」などがある。
歴史
VMware社は1998年にダイアン・グリーン(Diane Greene)氏、メンデル・ローゼンブラム(Mendel Rosenblum)氏らによって創業され、翌1999年に最初の製品を発表、2003年には日本法人ヴイエムウェア株式会社を設立した。2004年にEMC社に買収され、2007年にEMC社はVMware社株式をニューヨーク証券取引所に上場した。
EMCは2016年に米デル(Dell)社(当時)に買収され、VMwareもDell傘下となったが、2021年にDellはVMwareをスピンオフ(独立)、再上場させた。その後、2023年にBroadcom社に買収・統合され、法人としてのVMwareは消滅した。Broadcomはソフトウェア部門に旧VMware資産・人員を統合して「VMware」ブランドとして展開している。