マイクロコンピュータ 【microcomputer】 マイコンピュータ / my computer / マイコン
概要
マイクロコンピュータ(microcomputer)とは、個人向けの小型で安価な汎用コンピュータの、1970~80年代における一般的な名称。現在では一般的に「パーソナルコンピュータ」(パソコン、PC:Personal Computer)と呼ばれる製品カテゴリの創成期の呼称。コンピュータといえば企業などの大きな組織が利用する大型汎用機(メインフレーム)やミニコンピュータ、オフィスコンピュータなどしかなかった1970年代後半、安価なマイクロプロセッサの発明により個人が家庭で使える汎用コンピュータとしてマイクロコンピュータが登場した。
当初は限られた好事家が購入・利用するに過ぎなかったが、性能や機能の向上、低価格化、優れたオペレーティングシステム(OS)や業務に使えるソフトウェアの登場などにより、次第にオフィスや家庭に普及していった。1980年代後半頃から「パソコン」という呼称が広まり始め、現在では歴史的な文脈以外でマイクロコンピュータと呼ぶことはほとんどない。
ちなみに、「マイコン」という略称は、家電製品などの制御に使われるICチップである「マイクロコントローラ」(microcontroller)の略でもある。現代ではマイコンと言えばこちらを指すのが一般的だが、歴史的な文脈ではどちらを指すのか注意が必要である。
なお、近年ではコンピュータの機能を単一のICチップや一枚の電子基板に集約した製品を指して「マイクロコンピュータ」と呼ぶことがあり、チップ型の製品を「ワンチップマイコン」、ボード型の製品を「ワンボードマイコン」といったように呼ぶことがある。
(2009.11.13更新)