仮想化基盤 【virtualization infrastructure】 仮想化インフラ
概要
仮想化基盤(virtualization infrastructure)とは、ソフトウェアにより仮想的なコンピュータ(仮想マシン)を作り出して運用することができるようなコンピュータシステム。コンピュータ本体(物理マシン)と仮想化ソフト、その管理ツールなどで構成される。仮想化されたITインフラ(仮想基盤/仮想インフラ)を指す場合もある。仮想化(virtualization)とはコンピュータのCPUやメモリ、ストレージなどの資源をソフトウェアによって仮想的に分割あるいは統合し、一台の物理的なコンピュータを仮想的に複数のコンピュータとして運用する技術である。
それぞれの仮想マシン(VM:Virtual Machine)は独立したコンピュータとして振る舞い、他の仮想マシンには影響されず、あるいは影響を与えずに個別にオペレーティングシステム(OS)やアプリケーションを実行することができる。
仮想化基盤はコンピュータに仮想化ソフトを導入して物理資源を管理し、仮想マシンを起動あるいは終了できるようにしたシステムである。複数の仮想マシンを運用することができ、それぞれの仮想マシンに割り当てる資源の拡張や縮小、仮想マシンの複製や移転、保存、復元などを行うこともできる。
仮想化基盤は仮想化ソフトに付属する専用の管理ツールで運用するのが一般的だが、「Kubernates」や「VMware vSphere」のように、複数の物理的なコンピュータの資源を統合してクラスタ(cluster)と呼ばれるグループを形成し、全体を巨大な一つのシステムのように管理できるシステムもある。
仮想マシンを起動する際に資源に余裕のある物理マシンを選んで均等に負荷分散を図ったり、物理マシンをまたがって仮想マシンを移動(マイグレーション)したりすることができる。このようなシステムは「オーケストレーションツール」などと呼ばれ、データセンターで多数のサーバを仮想化する際などに効率的に管理することができる。
(2023.9.20更新)